その人

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その人は

「今月は お父様のご命日と聞きました」

そう言って 父の大好きな色の花束を

大事そうに抱えて 持って来てくださった

 

 

白いダリアは 真っ直ぐに持たないと

すぐに萎れてしまうのだという

 

 

 

そんな 優しさを持っている その人は

ご自分の行為に対して 一粒の涙を流し

深々と頭を下げました

 

 

人は皆 そうやって自分のした「こと」に気づいていく

 

 

 

大手企業に勤務していた頃

ミスは 全体責任だった

たった一つのミスが 全員に迷惑をかける

そのことを 徹底して学ばされた

 

 

だから 

隠すことなど 頭に浮かばなかった

 

素直に謝るということを 自然に覚えていった

 

 

 

傲慢な態度を取れば   何人でも 敵を作った

 

 

だから 

謙虚ということを覚えていった

 

 

 

 

その人の 

深いこころの奥には

 

きっと 

隠す気持ちなどなかったということを

それが 

傲慢な態度だと思わなかったことを

 

わたしは 知っていた

 

 

なぜなら

その人は

父の好きな色を 知っていたのだから

 

 

 

父のいちばん好きな色は 

ラッピングカラーの藤色

次が紫 そして 白

 

 

その人が 

こころをこめて選んだ色は 

パーフェクトだった

 

 

 

そんな 優しさを持った人の

気づくという 美しい行為は

一粒の涙に 現れる

 

 

白いダリアの花言葉

「感謝」と「豊かな愛情」

 

 

それを知ったのは 

その人からの決意のメールが届いた後でした。

 

 

 

❦ tina

 

 

 

 

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